幼馴染に支えられた、、、初夏に始まる地獄の2カ月間。

 苦しかった、幾度となく甘いものが食べたくなった。祖父が酒饅頭屋を営んでいた私にとって2カ月間もの間、甘いもの抜きの食事制限をするということは、かなり至難であった。

そう、私は6月後半から8月後半にかけてダイエット企画を開催したのだ。

私には幼稚園からの仲である幼馴染がいる。彼はジムのトレーナーを職業としており、そこの店長を務めている凄腕トレーナーである。そんな彼からある日、「ダイエットしてみる?」とのひとこと。165cmの私にとって70㎏という体重は肥満気味であった。やってみると言ったものの、なかなか行動に移すことができず、彼からのカツが入った。それからというもの、朝の食事制限から始まり、脂質を控えた弁当作り、仕事終わりに自宅での筋トレという地獄の日々が始まった。そんなダイエットの最中、やはり甘いものが食べたくなった。仕事終わりにドラモリへと向かう。気づいたらパンコーナーの前。鬼トレーナーに電話をかけ、控えめな声で「和菓子食べていいですか?」「あかん」のひとこと、、、。彼が悪いわけではないが、本気で腹がたった。なんでこいつに指図されないといけないんだ。と。それからも地獄の日々が続いた。

 「ミーンミンミン、ミーンミン」。それまで耳障りの悪かったセミの声が心地よく聞こえた。そう、地獄の2カ月間が終わりを迎えた。結果からいうと70㎏から62㎏とマイナス8㎏のダイエットに成功した。あの鬼と思っていた彼が、輝いて見えた。有難う、幼馴染。有難う、凄腕トレーナー。彼と頑張った2カ月間は決して無駄ではなかった。